四日目は班ごとに終日京都を見学する自主研修だったが、
夜の外出も含め相変わらず時間に正確で、問題一つない品行方正な田高生であった
(伝統です)。移動に忙しいコース計画を立てた班もあったが、
機転のきいたコース変更をしたり、見学先で深い感銘を受けたり、
買い物を楽しんだりして、それぞれ有意義な一日を過ごした。ただ、
足疲れ腰が痛くてああだるい
なみ
と非常に歩き疲れたらしく、
歩くときローファーやめよう疲れるよ
ゆいこ
いつまでももつべきものは友だちだ
あゆみ
と後輩たちへ貴重な教訓と助言を残す者もいた。近藤先生と岩渕先生も
携帯電話で私たちの動向をつかみながら市内を見学し、修学旅行気分に浸ったらしい。
観光途中、近藤先生は突然思い出したように、職場のF監督に頼まれていた
ドリームジャンボ宝くじを購入した。なお、各班の野望は次の通りであった。
- 1班(みさと・つじか・まちこ・なみ・さちえ)
- 外人さんと話をして写真を撮る!→
清水寺・京都タワー・東本願寺・西本願寺・ブリキのおもちゃ博物館・四条河原町
- 2班(はるみ・ひさえ・よしえ・まさこ)
- ねぎりまくる→
金閣寺・竜安寺・仁和寺・映画村・地主神社・八坂神社
- 3班(ひろこ・ちのぶ・りか・なな)
- よく見て、よく知り、よく食べる→
八坂神社・映画村・金閣寺・仁和寺・四条河原町
- 4班(ゆいこ・あゆみ・たくみ・めい)
- ねぎりに挑戦!→
清水寺・三十三間堂・金閣寺・竜安寺・仁和寺
- 5班(ひほ・りか・ちあき・たかこ)
- 舞妓さんの写真を撮る→
霊山観音・舞香・清水寺・おしゃれアンティークメルヘン
- 6班(りゅうや・Dr.ひろゆき・しのぶ・たつひこ)
- 金閣寺でワンショット→
銀閣寺・大徳寺・金閣寺・上加茂・仁和寺・北野天満宮・清水寺
- 7班(かつき・しょうご・たいち・Hp.ひろゆき)
- 京都征服(制服)→
金閣寺・竜安寺・映画村・銀閣寺・清水寺
- 8班(てるひで・なおや・まこと・あつし・よしのぶ)
- 梅宮の店に行く→
金閣寺・竜安寺・銀閣寺・哲学の道・南禅寺
四日目の感想文から
- よしのぶ
- 足がいたい。ここまで歩いたのは久しぶりだ。
心地よい汗をかいて青春って気分って感じーみたいなー。
- なおや
- いまいち哲学の道は意味がわかりませんでした。
- たいち
- 映画村に行ったら、何と「江戸を斬る」と「水戸黄門」の撮影をしていた。
高橋英樹とスケさん、カクさん、ご隠居、うっかり八兵衛を見た。感動した。
一日中いたかった。
- ひほ
- 今日舞妓さんになった。写真を見たら、なんか自分じゃないようだった。
- ひさえ
- 映画村でお化け屋敷に入った。靴が脱げて大騒ぎになった。みんなに笑われた。
私ではない。後ろから来たと思って「キャー」と叫んだら他校の生徒だった。
これも笑われた。
- まさこ
- 映画村では水戸のご老公さまが私の目の前を通って行った。
みんなすごく濃い化粧をしていて気持ち悪かった。
ついでに、お化け屋敷で靴が脱げて、探すのに大変だった。
- かつき
- 映画村では有名人を見て「オオーッ」という感じだった。
- たつひこ
- 清水寺で店屋のあんちゃんにはまっちゃっていろいろ買ってきた。
- ちのぶ
- タクシーのおじさんは面白い人だった。一人で一生懸命しゃべっていた。
- よしえ
- 今日は一日がとっても楽しくて寒くて、いろいろなことに必死だった。
京都の人たちは、聞いてないのに「どこに行くの? 」と言って教えてくれた。
精一杯生きた感じ。
- つじか
- 清水寺で外人さんと写真を撮りました。たくさんの外人で少し焦ったけど、
その中に通訳の人がいたから何とか楽しい会話ができました。
- まちこ
- 清水寺では、帰りに「外人さんと話をして写真を撮る」という野望が達成できた。
外人さんはとても優しくていい人たちだった。
初めてこういう体験ができてとても感動した。
- はるみ
- 中学の時の同級生と会って不思議だった。
- ひろこ
- 今日一日を通していろんな人に助けられた。
でもすごく親切にしてくれた人が多くて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
旅行最終日、いよいよふるさとへの帰路となり、快適なサービスと
手の込んだ料理でもてなしてくれた宿の人たちにお礼を述べ、バスは一路
最新の関西国際空港へ向かった。海上に現れた巨大空港へ到着し、
旅行中ずっと大阪弁まじりの美声で楽しく案内してくれたガイドの奥野さんに
別れを告げ、空港内を散策。搭乗券を手にした後、ゲートで懲りもせずまたもや
「ピーピー」と金属探知器を次々に反応させ、手持ち品を調べる係官を
忙しくさせてしまう男子たちだったが、搭乗拒否されることなく、
全員無事に飛行機に乗り組んだ。
再度の経験にもかかわらず機内の私たちの興奮は、離陸・上空風景・着陸を
ビデオに収めるのに忙しい担任の近藤先生と同じだった
(話はかわるが、田野畑高校の先生は、みんなビデオが好きらしい。怪しい)。
雪が降る寒々とした花巻空港に降り立った一行は、バスで田野畑村に向け出発。
早坂峠を越え、母校に到着すると、家族や先生方が待ち受けていて、
旅の無事を喜び合った。快適な旅を提供してくれた添乗員の盛合さんに感謝を述べつつ
楽しい思い出を胸に、温かい家族のもとへと帰っていったのだった
(本当は、まだ帰りたくなかったんだけど)。