寿生苑にはおむつを付けている人たちがいますが、 その人たちがどんな気持ちでいるかなんて、考えたこともありませんでした。
ある日、係の人に呼ばれました。おむつを付けてみなさいと言うのです。 初めはみんな、付けたがりませんでした。恥ずかしいという 気持ちがあるからです。
しかし、一人が付け始めると、次々とみんなが付けました。 はき心地が悪く、変な感じでした。おむつ替えには慣れていて 平気そうに見えたおじいさん、おばあさんも、やっぱり恥ずかしいのではないか と思いました。でも、そんなことを言っていられないので我慢していると思うと、 複雑な気持ちでした。わたしたちにおむつを付けさせた係の人の意図が分かりました。 おむつ付けの仕事の心構えを勉強した思いでした。